わんこ

ギリギリ昨日のお話。
昨日は、迷い犬に出会いました。出会ったというか我が家に遊びに来る途中の友人が発見したのです。
雑種のようで柴の気が多かったです。中々プリチーな子で痩せてもいなかったし、毛並みもそこそこに綺麗だったのですが。
昔なら、迷わず連れて帰っただろうなーって思いました。
前は一戸建ての家に住んでいて今はマンションに住んでいるということもあったのですが。
我が家も二年前までわんちゃんを買ってました。柴犬の美形のオスです。（←飼い主バカ）
その子は、私とほぼ一緒に生まれて、一緒に育ってきた大切な親友だったんです。
確かに私が幼児期の頃は毎日噛まれたりもしてましたが。
私が大きくなってからはすごく仲良くって学校から帰ってきたら日が暮れるまでずーっと遊んでました。


でも、寄る年波には勝てず。
寿命と、突然のマンションへの引越しのせいでひどい痴呆が始まったんです。
毎日、狂ったように吠えたり。夜は眠れなかったり。
夜中中付き添ったことも多々あって、もう限界だよ、と泣いたこともありました。
それでも、私はその子が大好きだったんです。
私の父はこんな犬は保健所に連れて行けと言いました。ホント最悪です。この瞬間に父が嫌いになりました。
何て勝手なヤツなんだろうって、そんなことしたら私も一緒に死ぬからね、とか軽くおどしたらちょっと黙りましたが、しばらくの間は母に言ってたらしいです。直接私に言えよ。

結局、亡くなりました。
でも苦しまずに死んでいったので、良かったです。
死ぬ間際にも立ち会うことも出来ました。
しばらくはその子のことを忘れられませんでしたが、今は平気です。
深く思い出すとどうしても鼻がぐしゅぐしゅしたりしますが、大分マシになったと思います。

昨日のわんちゃんを見て、ふとそのことを思い出しました。
どういう事情でその子が迷っているのか解らないけれど、たとえその子に放浪癖があったとしても、それは飼い主の責任です。可愛がるだけじゃなくて、そういうところもちゃんと出来なくちゃ飼い主として失格です。
大体同じところをぐるーっとしてたので、あの辺の子なんでしょうが。捜してる人も全然いませんでした。
可哀想でした。
早く飼い主が見つかって欲しいです。ホントに。

その犬を見ているときに、何とかしてあげたいという思いと、大人なら誰でも口をそろえて言う放っておこうという気持ちが入り混じっていました。
そんな自分が何となく嫌でした。そのわんちゃんをずーっと見守っている友人が羨ましかったです。
どうしようもないよねって言う私に、うん…と優しい目で見守る友人が羨ましかったです。
大丈夫かなぁ、事故にあったりしないかなぁという気持ちが溢れている真っ直ぐな目でした。

色々と、考えさせられる日でした。

心のどこかで助けたいと思う気持ちと、放っておこうという気持ち。
それでも、帰性本能があると言って放っていくことはなんだか少し寂しかったです。
大人とかが放っておきなさい、と言うのは噛まれたりしたら大変だから、ということを言っているのでしょう。
それはそうだと納得してしまう自分がいるのが、少し寂しかったです。

早く、あの子のお家が見つかって欲しいです。